高校野球東京大会は7月25日、西東京大会・準々決勝の2試合が行われました。これまで夏、春と連続で甲子園出場を果たし3季連続の出場を目指す早稲田実と、20年ぶりの夏の甲子園を目指すノーシードの国士舘が挑んだ対戦は、9回に劇的な展開が待っていました。
国士舘のマウンドに立った1年生の杉本は1回と2回を無得点に抑えますが、3回ウラ、早稲田実の強力打線に捕まり、2番・國光のタイムリーなどで2点を奪われると、5回ウラに交代したエース・鎌村も3番・中村にタイムリーを浴び、3点差とされます。
しかし国士舘はここから“王者”早稲田実に食らいつきます。8回表に相手バッテリーのミスから1点をもぎ取り望みをつなぐと、9回表、先頭打者の1番・石田と続く下立が出塁し、ノーアウト2塁・3塁のチャンスで3番・宮崎がセンターの頭上を越えるスリーベースヒットでついに3対3の同点に。さらに、続く4番・加藤のレフト前ヒットで勝ち越しに成功します。
そして9回ウラ、1点を守り切りたい国士舘は、引き続きエースの鎌村がマウンドに立ちました。「絶対打たれないという強い気持ちを持ってマウンドに上がった」という鎌村が最後はしっかりと抑え、ゲームセット。9回の逆転で接戦をものにした国士舘が準決勝へと進みました。
国士舘の鎌村曜平投手は「仲間を信じて(9回までに)逆転していることを信じて投げていたので、いい仲間に恵まれた。あと2つなので、2つ勝って甲子園に出られたら」と力を込めました。一方、敗れた早稲田実の中村心大主将は「3年間ここまで一緒にやってきた仲間なので、本当にみんなには感謝しているし、しっかりありがとうという気持ちを伝えたい」と涙を見せました。
■西東京大会(25日)
国士舘 4-3 早稲田実
八王子 8-6 早大学院